札幌モーターショーでも展示していた、フォードが撤退のニュースには寝耳に水で驚いたが、ビジネスとして考えれば輸入車の1%シェアでは撤退も仕方がないかも知れない。自動車の先駆者でもあるフォードの販売不振の原因は何だろう。自動車大国でもあったアメリカだが、技術や安全性は世界基準なのだろうがヨーロッパ勢に比較すれば「ブランド力」の違いかもしれない。高級品になればなるほど「ブランド力」が商品価値を決める。気長に焦らず長年かけたブランディング戦略と伝統を重んじるヨーロッパの特性が商品にも表れているから「商品力」があるのだろう。例えばMINIなど同クラスのクルマはたくさんあるにも関わらずブランドを確立していて特別な目で見られ販売にもつながっている。イギリスのローバー社もドイツのBMWに買収され、MINIと言う車種は風前の灯だったが、イギリスの強い要望もあり設計はBMWでも、生産は今もイギリスだ。BMWもイギリス風の伝統を重んじ、前代のMINIのデザイン・イメージを大切にしている。フォードは北海道と深い関係にもある。広大な耕地を作ったのはフォード・トラクターでもあったが、今ではジョン・ディアにシェアを譲ってしまっている。