クルマは見かけによらぬモノ?

僕が不動産広告を手がけていた頃のお話。札幌の初期のマンションや戸建ての広告のロケーション調査から写真撮影・広告制作・出稿まで、今で言う?ワン・ストップ?つまり一人で全てこなしていた。ある時はカメラマン、ある時はコピーライター、ある時はデザイナー、ある時は営業マン。つまり萬(よろず)承りと言う訳だ。札幌は一等地の宮の森に建った分譲マンションの販売広告に携わっていた時のお話。あの辺は坪200万円もの地価で、バブル後半に「億ション」と呼ばれた販売価格1億円超の分譲マンションのモデル・ハウスでのこと。土曜・日曜の誘客のための広告を制作して新聞に掲載し、当然お手伝いも兼ねて僕も現地に行っていた。好景気で来客も多く、見るからにそれ相応の方々が、それ相応の輸入車でやってきた。そんな或る土曜日の午後、国産のワンボックス・カーに幼稚園児1人と小学生2人のお子様を乗せたご夫婦の5人家族がデニムのラフな身なりで近郊の市から訪れた。僕も含め、販売担当者の方も賑やかなご家族が来たなぁ~程度に受け止めていた。これまでの経験上からは、失礼だが正直言って1億円以上のマンションの購入層には見えなかった。・・・が、お父さん「いいね~!」と。お母さん「いいわね~!」と。子供たち「買ったら~!」と?。・・・その場で成約?。よく聞けば医院経営で、お父さんは普段メルセデスだそうで、家族で一緒に行動するためのワンボックス・カーだと言うことが判明。また、その翌日の日曜日には、今度は20代の若い女性と外国人男性がモデルハウスを訪れた。こんな若い女性が億ションを?・・・と考える暇もなく「気に入りました!」と、その場で成約。何でも遺産相続した方のようでした。若いからとか、普段着とかクルマとか、人は見かけで判断できませんと言う教訓でした。(実話)

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