冬の北見峠?(間、一髪!)

1972札幌冬季オリンピックの時、スバルの5ドア4WD車が五輪のオフィシャルカーとして活躍した。あの時競技場の恵庭岳や手稲山でスバルの4WD車をよく見かけた。当時ジープなどRVタイプ以外の乗用車タイプの4WDは珍しく僕もあこがれた一人だった。いつかは4WDに乗ってみたいと思い続けていたが、数年後の正月、一台目に購入の新車のFR車にカメラ3台、防寒具、ガソリン補助タンクを積んで一人で網走まで写真撮影に出かける途中の出来事だった。珍しく雨まじりのシャーベット状の北見峠の急な上り坂はFR車には後輪のグリップをやっと保つほどでアクセルのコントロールに気を使った。右カーブに差し掛かった時、山陰から大きく膨らんで曲がってくる対向車に一瞬ハンドルを左に切って避けようとした途端、僕のFR車は左外に流され雪に突っ込んで、一瞬にしてフロントガラスが雪で見えないまま停まった。何が起きたか理解できず、恐る恐るドアを開けた。意外にも元の道路に戻っていたのだ。夢中でカウンターステアを切っていたのか?僕のクルマの脇をスバルの4WDに乗った若者のスキーヤーがゆっくり眺めながら走り去った。ライトもガラスも割れず、クルマも僕も無傷で済んだが、状況を見て驚いた、峠の除雪作業車が谷に落とし切らずに残した雪山が僕を救ってくれたのだった。あの雪が残されていなかったら、谷底に転落していたと思った瞬間、頭の血がサッと引いたのを今も鮮明に覚えている。あれだけ用意周到で、安全に日中の峠越えを考えていたが、真冬の峠はいつも危険がはらんでいる。下りの車にしても、大きく膨らんだ原因は路面状況とスピードの出しすぎだと思われる。この時、すれ違ったスバルを見て、4WD車の30万円の差額も、人命を考えれば、決して高い買い物ではないかと感じたものだ。

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