スリップ対処法!(自動車学校では教えない?冬道走行)

僕の運転はニュートラルを多用する。特に路面が滑る冬は直線路で信号待ちの為のブレーキング前や、ゆっくり曲がるコーナー、滑る下り坂などでは、シフトは N(ニュートラル)にする。Nと言う事はエンジンからタイヤへの駆動を絶つ事だから不安に思う人もいるかも知れないが、タイヤ回転速度が早すぎても遅すぎてもスリップする。つまり「自然に転がっている状態」が氷雪路では滑らず理想の走行と言う訳だ。μ(ミュー)だの、慣性だのと難しい説明より、クルマのタイヤを別なものに置き換えて説明すれば理解できると思う。四角い消しゴムを下敷きの上に置いたとする。乾いた下敷きの上では消しゴムは摩擦抵抗が高い為、押しても滑らない(夏の条件)。では下敷きを水で濡らしたらどうだろう?(冬の条件)消しゴムも濡らして指で押せば滑って行く。でも、消しゴムを「パタン!パタン!」と90度づつゆっくり回転させれば滑らず接地して前後に進む事ができる。タイヤは丸く接地面は少ないが、滑る前に接地面を置いてゆく消しゴムのように、氷雪路に転がせばスリップはしない。転がすには一旦、エンジンからの駆動力を切り離す。カーブでもNで惰性で回ることで横滑りを防げる。ただし速度によっては車重からの慣性が働き横滑りするから、手前の直線路でのスピード・ダウンが必須条件だ。N状態でのブレーキングでもABSは作動するし、急な時以外は、ブレーキ・ペダルを柔らかく踏めば止まってくれる。下り坂で滑りやすい路面で、ともすればシフト・ダウンして「エンジン・ブレーキを」と考えている人も多いが、これがスリップする。Nにしておいて、時々ブレーキングでスピード・コントロールしたほうが安心だ。

雪の北陸自動車道(マカロニ編)

北海道で、まだスパイクタイヤが履かれていた頃の冬、僕は福井の実家にクルマで行くことにした。小樽からフェリーで敦賀に降り、すぐに北陸自動車道の敦賀インターチェンジに入ろうとして入口で警察官に停止を命じられた。警察官「チェーンを巻いてください!」。僕「えっ?・・・持っていませんが?」。警察官「規則ですから」。僕は必死に説明した。「チェーンより僕のマカロニ(スパイク)のほうが雪道に効きますが・・?」と。警察官「マカロニ?・・・・」。(警察官の頭に一瞬パスタでも浮かんだに違いない)北海道の常識がなかなか理解されず説得にかなり疲れた。

雪の赤井川でのドリフト撮影

お正月も明け、有名メーカーから出向の某ディーラーの社長さんと一緒に、冬の赤井川で4WDの乗用車デビューの広告に使用する写真撮影に行くことになった。小樽の店で待ってると言うので朝9時に立ち寄ると、社長さんらしき人が見当たらない。スタッフに聞くと、なんと社員と一緒にママさんダンプで除雪作業中だった。そんな活動的な社長さんを乗せ赤井川に向かった。山中でカメラマンと社長さんを降ろして僕がドライバー役だ。ギヤを落としてアクセルを踏み込み雪煙をあげてドリフト走行を繰り返した。社長さん「僕にも運転させろ!」と。さすがに僕もお断りした。大ディーラーさんの社長さんに、しかも暖かい本州出身で北海道の冬道での運転にも不慣れのはず。とても危険な行為はお薦めできない。撮影は終了!帰る段になって今度は社長さんが「新しい4WDの乗り心地を知りたいから運転して帰る」と言うので仕方なく交代した。赤井川の山を降りるまでの「恐怖の時間」はとても長く感じた。やっぱりお断りすべきだったと。その写真は新聞広告に使用した。